トンコのおれの冒険 第二話 新しい仲間 2
2008年 10月 05日
義貞は、
「私を呼んだのは誰だ!」
と眼光鋭く皆の顔を見回した。
「左近衛中将殿、わしは先の鎮守府将軍、摂津多田の庄源満仲じゃ。」
ゆっくりとした言葉で満仲さんは問いかけた。
「なんという!多田の満仲さまにておわしますか?」
義貞は急に頭を下げ、両手をダッシュボードにかけた。
「さよう、そなたたち河内源氏の先祖じゃよ。小太郎殿、本来ならば義国の
正統、源家の棟梁であるはずよの。それを足利に奪われた訳じゃな?」
「さようにてございます。足利に源家の棟梁の地位を追われ、あまつさえ棟梁の
証の鬼きりの太刀を奪われたのでございます。」
「それゆえ、鬼きりの太刀を奪い返すつもりだったのじゃな?おおかた
親房の讒言にでも遭うたのじゃろ。そうではあるまいか?」
「いかにもさようでございます。お上にあらぬ事をふきこんだのでございます。」
「小太郎殿、つらいことを言うがの、そちのように純な男では源家の棟梁は勤まらぬ
よ。帝は、後醍醐帝はそちを利用して捨て駒にしようとしたのじゃ。足利はいずれほろびる。鬼きりの太刀はわしが預かっている。親房はいずれ太刀を奪い返しにくるじゃろ。どうだ、一緒の懲らしめようではないか?」
「しかし太刀は・・・」
「だまれ小太郎。たいがいにせんか!お前は尊氏に負けたではないか!」
「ははっ、おおせの通りにいたします。」
最後に満仲さんが一喝した。義貞はそのまま動かなくなり、肉体は珠子さんに
戻ったようだった。
しかし珠子さんは疲れている様子だった。なんとかしなければいけない。
オレは「カチョー」に電話をして、珠子さんを預けることにした。
珠子さんを送った後、満仲さんがオレに話があると言ってきた。
「満仲さん、話ってなに?」
「うむ。ほかでもないのだが、小太郎には勾当内侍という妻がおっての、
睦まじかったのだが、義貞は会えずに死んでしまった。なんとか会わせたいと
思うのだが、良い手立てはないかと思うての。」
「うーん、あの世どうしの人を会わせるなんて聞いたことないけどねえ。
あ、そうだ!」
「コースケ殿、心当たりがあるのかえ?」
「うん、わからないけど、そんなことを研究している人がいるよ。」
続く
新田義貞
「私を呼んだのは誰だ!」
と眼光鋭く皆の顔を見回した。
「左近衛中将殿、わしは先の鎮守府将軍、摂津多田の庄源満仲じゃ。」
ゆっくりとした言葉で満仲さんは問いかけた。
「なんという!多田の満仲さまにておわしますか?」
義貞は急に頭を下げ、両手をダッシュボードにかけた。
「さよう、そなたたち河内源氏の先祖じゃよ。小太郎殿、本来ならば義国の
正統、源家の棟梁であるはずよの。それを足利に奪われた訳じゃな?」
「さようにてございます。足利に源家の棟梁の地位を追われ、あまつさえ棟梁の
証の鬼きりの太刀を奪われたのでございます。」
「それゆえ、鬼きりの太刀を奪い返すつもりだったのじゃな?おおかた
親房の讒言にでも遭うたのじゃろ。そうではあるまいか?」
「いかにもさようでございます。お上にあらぬ事をふきこんだのでございます。」
「小太郎殿、つらいことを言うがの、そちのように純な男では源家の棟梁は勤まらぬ
よ。帝は、後醍醐帝はそちを利用して捨て駒にしようとしたのじゃ。足利はいずれほろびる。鬼きりの太刀はわしが預かっている。親房はいずれ太刀を奪い返しにくるじゃろ。どうだ、一緒の懲らしめようではないか?」
「しかし太刀は・・・」
「だまれ小太郎。たいがいにせんか!お前は尊氏に負けたではないか!」
「ははっ、おおせの通りにいたします。」
最後に満仲さんが一喝した。義貞はそのまま動かなくなり、肉体は珠子さんに
戻ったようだった。
しかし珠子さんは疲れている様子だった。なんとかしなければいけない。
オレは「カチョー」に電話をして、珠子さんを預けることにした。
珠子さんを送った後、満仲さんがオレに話があると言ってきた。
「満仲さん、話ってなに?」
「うむ。ほかでもないのだが、小太郎には勾当内侍という妻がおっての、
睦まじかったのだが、義貞は会えずに死んでしまった。なんとか会わせたいと
思うのだが、良い手立てはないかと思うての。」
「うーん、あの世どうしの人を会わせるなんて聞いたことないけどねえ。
あ、そうだ!」
「コースケ殿、心当たりがあるのかえ?」
「うん、わからないけど、そんなことを研究している人がいるよ。」
続く
新田義貞
by caymmi1 | 2008-10-05 00:23 | お話、小説