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ブラジル通史 18 ポプリズモの破たん 2

さていままでさぼってきましたが、またブラジル通史をUPします。
クビシェッキ政権は資本家や民衆の支持を取り付けるため、大胆な
工業化を押し進めましたが、反面、金融の常識を無視したため、
ブラジルの対外債務はクビシェッキ政権中に増え続け、
次政権のクアドロス大統領(1961年就任)
は演説で「私の政権中に20億ドルの債務を返済しなければ
ならない。」と述べています。
通貨供給量は600億クルゼイロから2000億クルゼイロに増え、
結果として国民経済は激しいインフレーションに見舞われます。
物価は上がり続け63年には80パーセントに達しました。
債務返済のため、緊縮財政など政府はデフレ政策を行いますが、
頻発するストライキなどで効果はほとんど上がりませんでした。
クアドロス政権は一年足らずで辞任し、副大統領のゴウラールが大統領を
目指しますが、軍部の反対に合い、法律を大統領制から議院内閣制に改正し、
やっとゴウラールは大統領に就任します。(1961年)
ゴウラールは大衆や社会民主党の支持を得るため左翼的政策をとります。
石油、電力などの企業を国有化すると宣言したり、中国やキューバに接近したりします。これがアメリカや国内の資本家の不興を買い、
債務の延長などをアメリカから拒否されます。
これに危機を感じた陸、海、空軍は密かにクーデターの計画を練るにいたりました。
軍事政権の前夜です。
次回は軍事政権の成立です。


クアドロス大統領は「ビキニ禁止令」を出しましたがだれも守らなかった
ということです。画像はミルトン・バナナトリオです。

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by caymmi1 | 2007-11-03 17:39 | 歴史  

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