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ブラジル通史 中間の考察

10月に入り、ブログの更新が遅れ勝ちになって申し訳ありません。
さて今回はブラジルの共和制に入る前に少し自分の考えを述べてみたいと思います。
いままで述べてきたように、ブラジルは独立したとはいえ、
植民地経済体制から脱していません。

アメリカ合衆国も1851年から南北戦争が始まり、奴隷でなりたっていた南部諸州と工業化が始まっていた北部諸州が対立し、北部が勝って奴隷制度が廃止されます。

ではブラジルではどうでしょう。ブラジル皇帝ペドロ2世は、1888年奴隷解放令を、
出しますが、結果的にこれが帝政が終わるきっかけとなりました。
つまり、奴隷制度のもとに経済がなりたっていたため(コーヒー園の労働など)、
リオ周辺の農場を除き、大部分は経営がなりたたなくなりました。
そのためブラジルでは帝政打倒の運動が起こり、軍人が中心となり革命政権が誕生します。

フランス革命とは異なり、市民革命が起こったわけではありません。
共和制もヨーロッパ諸国とは意味が違います。
ひとことで言えば「ラテンアメリカ的」ということでしょう。
封建社会が育たなかったのも理由のひとつでしょうし、
「賃金制の労働者」が現れなかったのも理由のひとつです。

元パウリスタ新聞の記者の田尻さんによると、「イベリア的労働観」が近代化を
妨げたと述べています。
つまり、労働は奴隷がやるものであり、自由人は働かなくても良いとの考え方が、
イベリア的労働観だと言うのです。
少し厳しい見方かなとも思うのですが、より真実に近いでしょう。
 

本日のオマケ画像



ブラジル通史 中間の考察_f0107517_13584218.jpg



超有名なキリスト像です。たまには良いですね。

by caymmi1 | 2006-10-07 14:02 | 歴史  

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