トンコと俺の冒険 題二話 薔薇と十字架 5
2010年 03月 12日
「あれカチョー!いつの間に戻ってたの?」
とななみが声をかけた。
理絵は一瞬、夢でも見ていたのかと思った。
「あ、うんちょっとね。」
と言うのが精一杯だった。
「ねえカチョー、さっきの十字架カチョー持って行った?テーブルにあったと
思ったのだけれど、気づいたら見あたらなかったの。」
「ええ、あの十字架のアクセサリー、持って帰って家において来ちゃった。」
「それなら良かった!無くしたかと思ったわよ。ねえカチョー何かあった?、顔色悪いよ?」
「ちょっと疲れたみたい。悪いけど先に帰るね。」
「うん良いけど、珠子さんと食事したいな。あたしの家に泊まってもらって良い?」
「ええ、良いわよ。じゃあ明日ね。」
理絵はすっかりにぎわいの戻った吉祥寺駅からタクシーでマンションに戻った。
帰宅すると、玄関のドアに紙のようなものが挟まっていた。
照明をつけると、それは巻き紙で、毛筆で書いてあった。
「くろたかちやうとの
みやうにちよはなしなとしたく
そちやをさしあけたく候
ついては案内のものなとつかわし候
南坊」
理絵は何度も読み返し、それが茶事の招待状だと分かった。
茶事!え、でも何を着ていけば良いの?
着物なんてないしどうしよう?
理絵はその茶事が何を意味するか分からないまま、なぜか惹かれるようなものを感じた。
続く
とななみが声をかけた。
理絵は一瞬、夢でも見ていたのかと思った。
「あ、うんちょっとね。」
と言うのが精一杯だった。
「ねえカチョー、さっきの十字架カチョー持って行った?テーブルにあったと
思ったのだけれど、気づいたら見あたらなかったの。」
「ええ、あの十字架のアクセサリー、持って帰って家において来ちゃった。」
「それなら良かった!無くしたかと思ったわよ。ねえカチョー何かあった?、顔色悪いよ?」
「ちょっと疲れたみたい。悪いけど先に帰るね。」
「うん良いけど、珠子さんと食事したいな。あたしの家に泊まってもらって良い?」
「ええ、良いわよ。じゃあ明日ね。」
理絵はすっかりにぎわいの戻った吉祥寺駅からタクシーでマンションに戻った。
帰宅すると、玄関のドアに紙のようなものが挟まっていた。
照明をつけると、それは巻き紙で、毛筆で書いてあった。
「くろたかちやうとの
みやうにちよはなしなとしたく
そちやをさしあけたく候
ついては案内のものなとつかわし候
南坊」
理絵は何度も読み返し、それが茶事の招待状だと分かった。
茶事!え、でも何を着ていけば良いの?
着物なんてないしどうしよう?
理絵はその茶事が何を意味するか分からないまま、なぜか惹かれるようなものを感じた。
続く
by caymmi1 | 2010-03-12 17:42 | お話、小説