トンコとおれの冒険 第一話 トンコの秘密 続
2008年 02月 28日
オレは我にかえってふと時計を見た。いけない仕事をしなきゃあ。
「トンコ、辰治さん、出発するよ。仕事をかたずけなきゃあ。」
「うん、わかった!」とトンコ。
「あいよ。」と辰治さんが続いた。
得意先にいって、仕事を片付けると、会社に電話をし、
箱根方面の仕事がないか問い合わせた。
すると「カチョー」さんが、
「康介クン、明日、御殿場方面で一件あるわね。早い時間の約束なので、
今日はもう帰っていいわ。明日、直接回ってちょうだいね。」
と珍しくありがたいことを言う。
自宅へ向かって走っていると、辰治さんが、
「ちょいと頼みがあるんだが、なにか気の利いた音楽をかけちゃあくれねえかい?」
「辰治さんはどんなものを聴くの?」
「あ~う!ってやつよ、よく手品師が伴奏に使う。」
「ひょっとしてこれかな?」
オレは音楽プレーヤーをカーオーディオにつなぎ、ペレスプラードの
マンボNo5をかけた。
「いよっ、これだよこれ。」
「玉」は空中でくるくる回ったりしている。
「辰治さんはマンボが好きなんだね?」
「おうよ、昔おっかあと良く雲の上で踊っていたんだよなあ、ただね
下界はピカピカゴロゴロ雨ザアザアって訳よ。親父に大目玉をくらってな。」
「辰治さん、けっこう不良だったんだ。」
「若気の至りって訳よ。」
するとトンコが、
「辰治さん、恋愛結婚だったんだ。いいなあ。」
「いやあ、そんなもんじゃあねえって。」と「玉」はそこいらを跳ね回っている。
「あたし、もう恋愛なんかできないんだもん。」
オレはトンコがかわいそうになってきた。トンコには女の子らしいことを
させてあげたい。
「あきらめないでさ、きっとなにか方法はあるさ。」
「おうそうだ、あっしが箱根にいきてえっていったのは、箱根には
あっしの兄貴がいるんでさあ。その兄貴にね力を借りようと思ってね。
それとへへっ、久しぶりに温泉につかりてえ。」
「なあんだ、辰治さんの目的はそれだったのか。」
オレは思わずふきだしながら言った。
続く
「トンコ、辰治さん、出発するよ。仕事をかたずけなきゃあ。」
「うん、わかった!」とトンコ。
「あいよ。」と辰治さんが続いた。
得意先にいって、仕事を片付けると、会社に電話をし、
箱根方面の仕事がないか問い合わせた。
すると「カチョー」さんが、
「康介クン、明日、御殿場方面で一件あるわね。早い時間の約束なので、
今日はもう帰っていいわ。明日、直接回ってちょうだいね。」
と珍しくありがたいことを言う。
自宅へ向かって走っていると、辰治さんが、
「ちょいと頼みがあるんだが、なにか気の利いた音楽をかけちゃあくれねえかい?」
「辰治さんはどんなものを聴くの?」
「あ~う!ってやつよ、よく手品師が伴奏に使う。」
「ひょっとしてこれかな?」
オレは音楽プレーヤーをカーオーディオにつなぎ、ペレスプラードの
マンボNo5をかけた。
「いよっ、これだよこれ。」
「玉」は空中でくるくる回ったりしている。
「辰治さんはマンボが好きなんだね?」
「おうよ、昔おっかあと良く雲の上で踊っていたんだよなあ、ただね
下界はピカピカゴロゴロ雨ザアザアって訳よ。親父に大目玉をくらってな。」
「辰治さん、けっこう不良だったんだ。」
「若気の至りって訳よ。」
するとトンコが、
「辰治さん、恋愛結婚だったんだ。いいなあ。」
「いやあ、そんなもんじゃあねえって。」と「玉」はそこいらを跳ね回っている。
「あたし、もう恋愛なんかできないんだもん。」
オレはトンコがかわいそうになってきた。トンコには女の子らしいことを
させてあげたい。
「あきらめないでさ、きっとなにか方法はあるさ。」
「おうそうだ、あっしが箱根にいきてえっていったのは、箱根には
あっしの兄貴がいるんでさあ。その兄貴にね力を借りようと思ってね。
それとへへっ、久しぶりに温泉につかりてえ。」
「なあんだ、辰治さんの目的はそれだったのか。」
オレは思わずふきだしながら言った。
続く
by caymmi1 | 2008-02-28 21:33 | お話、小説