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トンコとおれの冒険 第一話 竜神さま

青い小さい車のトンコはいきよいよくエンジンの音を
ぶおーとたてながら高速道路を入っていった。
もっとも音のわりにはスピードはでない。
晴れた空に山並みが遠くに見え、
その方向にむかって、おれとトンコは向かっていった。
「このぶんでいくと、だいぶ早くつきそうだよ。近くに湖があるから
早めのお昼でも食べようか。」
「人間って良いな。食べることができて。」
「あ、すっかり忘れていた。トンコは車だったね。」
「ねえ、あなたのことコーちゃんって呼んで良い?」
「うん良いけど、トンコはまるでガールフレンドみたいだね。」
「ガールフレンドいるんだ?」
「うん、まあね。」
おれはガールフレンドとケンカしてそれっきりになって
いることは話さないでおいた。
「それより、そろそろ高速道路をおりるよ。」
「りょーかい!」
おれたちは高速をおり、白菜畑や住宅がまばらにある
のどかな道を山に向かって走った。
つづらおりの峠道を登りきると、
湖があり、そこは神社の境内ということだった。
湖面はきらきら光り、水鳥たちが羽を休めていた。
おれたちは少しやすむことにした。
おれが車をはなれて自販機で買い物をしていた時だった。
キャーっというトンコの声がした。
なんだなんだなにがあった?とトンコに戻ると
「見て!あのとりいのあたり!」
とトンコは言い、ナビの地図にマークを点滅させた。
なにかが見えた。生き物のようだった。
続く

by caymmi1 | 2008-02-12 14:25 | お話、小説  

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